2012年12月25日火曜日

熊たちの振る舞い|坂巻正美作品展示場にて(新潟市北区高森)

7月14日()より開催されてきた「芸術祭2012」が12月24日(月・)で会期終了を迎えました。私たちの暮らす身近な地域にアートが再解釈を与えてくれ、新鮮な思いで新潟を見て回り楽しむことが出来ました。

ファイナルイベントということで、いろいろと開催されていた中、1223日()に「熊たちの振る舞い」と題したパフォーマンスが新潟市北区高森の坂巻正美作品展示場にて行われ、見に行ってきました。

熊のお面をつけた見学者のスナップ写真が玄関に貼ってありました。

11:00スタート。
薬師庵にて、堀川久子さん(舞踏家、水と土の芸術祭ディレクター)の「熊を舞う」


続いて、高森神楽保存会の「高森獅子神楽」

獅子と向かい合っているのは天狗です。

獅子舞の中には、4~5人の男性が入って迫力満点。

獅子に頭を噛まれるのは、無病息災や魔除けの意味があるという。

最後に鈴木正美さん(新潟大学人文学部教授)の「音の胎内巡り」サックスによる即興演奏

坂巻さんの作品内をぐるりと一周。



















そして、高森地区の皆様からのお餅とお雑煮振る舞い!

自治会長さんから一言。「お餅とお雑煮の振る舞いをぜひどうぞ!」







つきたてのお餅をいただきました。そして、地域のおばちゃん自家製の漬け物も「食べた? 食べな!」といただきました。これがまた美味しかった〜。12月も末、寒いはずの屋外もこころなしかあたたかく感じられました。







今回の会場は新潟市北区高森にある薬師庵。芸術祭でこういった機会がなければ、訪ねる機会はなかったであろう場所。

芸術祭をきっかけに、坂巻正美さんが熊を題材に作品を制作。そこにはもともと300年以上も続く高森獅子神楽がありました。そして、今回のパフォーマンスでは新潟在住の堀川久子さん、鈴木正美さんが舞踏と音楽で再解釈。

坂巻正美さんは北海道教育大学の准教授。北海道のアイヌや東北地方のマタギに伝わる狩猟技術や思想を研究している方です。新潟にとってはある意味で、「」からの視点。また、堀川さんや鈴木さんはそれぞれ新潟で活動する「」からの視点。そこに高森地区の皆さんの「」の視点。それぞれが交差する場所に今回のイベントがあったように思います。

芸術祭をきっかけに、各地域に脈々と伝わる、または静かに佇む宝ものに再び光があたったのではないでしょうか。歴史や祭り、場所や記憶、街並みや自然など、それらはアートによって再解釈されて、私たちの目の前に再び現れてきました。そして、そこには地域の人、観光で来た人、新潟の人が集いゆるやかに繋がっていきました。

そんな半年間は新潟市にとって、「非日常(祭り)」が「日常化」した期間だったように思います。さて、芸術祭は終わりました。私たちは日常へ戻っていきます。そこでは、それぞれが暮らす地域と関係し続けること、それぞれが暮らす日常を楽しむ視点を持ち続けられるかどうかが試されるのではないでしょうか。

やや大きな話になりますが、国や行政に頼る経済の拡大や消費による幸福よりも、既にあるものを組み合わせ直し、解釈し直して得られる幸福を選ぶのかどうか、引き受けられるのかどうかが私たち一人一人に問われているようにも感じました。

「水と土の芸術祭2012」は私にとっていくつもの楽しみを与えてくれました。友人・知人の方々も運営側スタッフとして働いていました。限られたスタッフの中、忙しい長丁場を切り盛りしていました。きっと年末年始も休むことなく後片付けや報告作りなどに追われるんだろうなぁ…。終わったらゆっくり休んでくださいね。本当にありがとうございました。お疲れさまでした。


高森の大欅。樹齢約1200年。根回り12.4m、高さ20m。

※2013年1月20日追記
新潟日報朝刊・2013年1月8日付けより。
芸術祭の来場者数は61万6千人。(前回を6万人上回った。)
うち、有料施設・有料イベントへの来場者が13万7千人。
入場パスポートの販売は前回の2万8千枚を下回る見通し。


2012年12月22日土曜日

「ダンス・ダンス・ダンス」友人の薦めで村上春樹を読み進める


ニヒリズムに陥りがちな時代に、虚ろな希望を取り戻すかのような物語だった。

とは言ってもこの物語が発表されたのは、1988年のこと。村上春樹さん39歳のとき。

現在とも、私のいまとも状況は違った背景で書かれている。しかし、ところどころで「あぁ、そうそう俺もそんなこと思ったことある。よく言ってくれた」といった箇所があった。私がこれまで体験してきたことの中でも、言葉にならなかったものをするすると表現してくれているようにも感じて、爽快感すらあった。また、登場人物の気持ちとシンクロしていく中で、「癒し」のような効果もあるのではと思った。物語によって癒されるということもあるんだな、と。

話は飛んで...。読後、たまたまぱらぱらと手に取った本がある。『西洋哲学史 近代から現代へ』熊野純彦著(岩波新書)である。いまだ『ダンス・ダンス・ダンス』の物語にひっぱられている私に、ぴったりと中るような言葉。



「生は夢と行動のあいだにある」
「夢みるときのように、過ぎ去ったものの重みのすべてを未来に懸けて行為するとき、ひとは真に自由であることになるだろう。」
「夢みることと、行動することとのあいだに、現実の生がある。」
(「第13章 生命論の成立」フランスの哲学者アンリ・ベルクソンを説明するところです。)

なんだかこれって『ダンス・ダンス・ダンス』の読後感とも重なるな。私の理解力では哲学の本はほとんど理解できなかったので、この章に目を通したのみです...。村上春樹さんがこの物語にどのような哲学的メッセージを込めたのかはわかりませんが、私には近い印象を与えました。


以下は、『ダンス・ダンス・ダンス』で印象に残った箇所のメモです。
─────引用1─────
それはある女性誌のために函館の美味い食べ物屋を紹介するという企画だった。僕とカメラマンとで店を幾つか回り、僕が文章を書き、カメラマンがその写真を撮る。全部で五ページ。女性誌というのはそういう記事を求めているし、誰かがそういう記事を書かなくてはならない。ごみ集めとか雪かきとかと同じことだ。だれかがやらなくてはならないのだ。好むと好まざるとにかかわらず。
僕は三年半の間、こういうタイプの文化的半端仕事をつづけていた。文化的雪かきだ。

─────引用2─────
雪が降れば僕はそれを効率良く道端に退かせた。
一片の野心もなければ、一片の希望もなかった。来るものを片っ端からどんどんシステマティックに片付けていくだけのことだ。正直に言ってこれは人生の無駄遣いじゃないかと思うこともないではなかった。でもパルプとインクがこれだけ無駄遣いされているのだから、僕の人生が無駄遣いされたとしても文句を言える筋合いではないだろう、というのが僕の到達した結論だった。我々は高度資本主義社会に生きているのだ。そこでは無駄遣いが最大の美徳なのだ。政治家はそれを内需の洗練化と呼ぶ。僕はそれを無意味な無駄遣いと呼ぶ。考え方の違いだ。でもたとえ考え方に相違があるにせよ、それがとにかく我々の生きている社会なのだ。それが気にいらなければ、バングラデシュかスーダンに行くしかない。

─────引用3─────
僕は揺れる蝋燭の炎をしばらく見ていた。僕にはまだ上手く信じられなかった。「ねえ、何故僕のためにわざわざそんなことするんだ? わざわざ僕一人のために?」
「ここがあんたのための世界だからだよ」と羊男は当然のことのように言った。「何も難しく考えることなんてないのさ。あんたが求めていれば、それはあるんだよ。問題はね、ここがあんたのための場所だってことなんだよ。わかるかい? それを理解しなくちゃ駄目だよ。それは本当に特別なことなんだよ。だから我々はあんたが上手く戻って来られるように努力した。それが壊れないように。それが見失われないように。それだけのことだよ」

─────引用4─────
僕は暗闇のなかで溜め息をついた。
オーケー、これは現実だ。間違いない。繋がっている。

─────引用5─────
「あまり仕事が好きじゃないの?」
僕は首を振った。「駄目だね。好きになんかなれない、とても。何の意味もないことだよ。美味しい店をみつける。雑誌に出してみんなに紹介する。ここに行きなさい。こういうものを食べなさい。でもどうしてわざわざそんなことしなくちゃいけないんだろう? みんな勝手に自分の好きなものを食べていればいいじゃないか。そうだろう? どうして他人に食い物屋のことまでいちいち教えてもらわなくちゃならないんだ? どうしてメニューの選び方まで教えてもらわなくちゃならないんだ? そうしてね、そういうところで紹介される店って、有名になるに従って味もサービスもどんどん落ちていくんだ。十中八、九はね。需要と供給のバランスが崩れるからだよ。それが僕らのやっていることだよ。何かをみつけては、垢だらけにしていくんだ。それを人々は情報と呼ぶ。生活空間の隅から隅まで隙を残さずに底網ですくっていくことを情報の洗練化と呼ぶ。そういうことにとことんうんざりする。自分でやっていて」

─────引用6─────
僕はユキの手を握った。「大丈夫だよ」と僕は言った。「そんなつまらないこと忘れなよ。学校なんて無理に行くことないんだ。行きたくないなら行かなきゃいい。僕もよく知ってる。あれはひどいところだよ。嫌な奴がでかい顔してる。下らない教師が威張ってる。はっきり言って教師の八〇パーセントまでは無能力者かサディストだ。あるいは無能力者でサディストだ。ストレスが溜まっていて、それを嫌らしいやりかたで生徒にぶっつける。意味のない細かい規則が多すぎる。人の個性を押し潰すようなシステムができあがっていて、想像力のかけらもない馬鹿な奴が良い成績をとってる。昔だってそうだった。今でもきっとそうだろう。そういうことって変わらないんだ」
「本当にそう思う?」

─────引用7─────
「システム」と彼は言った。そしてまた耳たぶを指でいじった。「もうそういうものはあまり意味を持たないんだよ。手作りの真空管アンプと同じだ。手間暇かけてそんなもの作るよりはオーディオ・ショップに行って新品のトランジスタ・アンプを買った方が安いし、音だって良いんだ。壊れたらすぐ修理に来てくれる。新品を買う時には下取りだってしてくれる。考え方のシステムがどうこうなんて時代じゃない。そういうものが価値を持っていた時代もたしかにあった。でも今は違う。何でも金で買える。考え方だってそうだ。適当なのを買ってきて繋げばいいんだ。簡単だよ。その日からもう使える。AをBに差し込めばいいんだ。あっという間にできる。古くなったら取り換えりゃいい。その方が便利だ。システムなんてことにこだわってると時代に取り残される。小回りがきかない。他人にうっとうしがられる」
「高度資本主義社会」と僕は要約した。

─────引用8─────
君と話していると、だんだんそういう感じがしてくる。細かいことにいちいちこだわるくせに、大きなことに対しては妙に寛大になる。そういうパターンが見えてくる。面白い性格だ。そういう意味ではユキに似てるよ。生き延びるのに苦労する。他人に理解されにくい。転ぶと命取りになる。そういう意味では君らは同類だよ。

─────引用9─────
「世の中にはいろんな人生がある」と僕は言った。「人それぞれ、それぞれの生き方。Different stroks for different folks.」
「スライとザ・ファミリー・ストーン」と五反田君はぱちんと指を鳴らして言った。同世代の人間と話していると確かにある種の手間が省ける。



2012年12月21日金曜日

詩歌俳柳壇ニュース「喜怒哀樂」



新潟市東区の印刷会社、ミューズコーポレーションさんが発行する詩歌俳柳壇ニュース「喜怒哀樂」をぱらぱらと眺めるのを楽しみにしている。全国から寄せられる短歌、俳句、川柳を斜め読みするのが面白い。

その中に「新潟ぶらり」というコーナーがあり、スタッフが毎回、新潟のあちこちを歩き寄稿している。今回は「東区の工場夜景」。

最後の段落が印象的でした。

~以下、引用~
以前視聴した「新日本風土記」(NHK)で、夜景があたたかいのは、それが誰かがつけた灯りだから——と言っていたのを思い出した。一つひとつの光に、それぞれの生活があることを想像する。あの光のなかで、どんな人が、どんなことを感じて生きているのだろう・・・。工場の光もまた、私たちがいまこうして生きていることの証しなのだ。身を切る寒さのなか、白い息を吐きながら、働く光の美しさを暫くの間眺めていた。
~引用終わり~

知らない街を車で走るとき、いつもと違ったジョギングコースを走るとき、私もそんなことを思いながらいる。目を凝らし、耳を澄ませて、一人一人の物語を感じ取ろうとするその感性に共感した。

2012年12月20日木曜日

山口幹文さん一管風月コンサート 大山治郎コレクション美術館

砂丘館でのコンサートの翌日、1216日()は燕市の大山治郎コレクション美術館でコンサートでした。株式会社曙産業(燕市)の会長・大山治郎さんが開設した私設美術館です。

会場の飾られた絵画とともに演奏を楽しむことができる贅沢なコンサートでした。

六朝館というビストロ&カフェが併設されています。
絵画に囲まれた贅沢な空間。
途中、佐藤さんのチェンバロソロでフィオッコのアダージョが演奏されました。
この日も演奏&トークで会場が沸きました。

ステージ背後の絵画に写り込む山口さんの背中。
終了後、CDにサインを求められる山口さん。
山口さんと記念撮影。

2012年12月19日水曜日

山口幹文さん一管風月コンサート 砂丘館

1215日()に砂丘館で行われた山口幹文さん(鼓童)の一管風月コンサートに行ってきました。会場の物販でLIFE-mag.を販売させて頂きました。たいへんありがたい機会でした。感謝です。

今回は、佐藤世子さんのチェンバロの伴奏とのコンサートでした。
約90分の演奏は、日本各地、世界各国の伝統芸能に学び、自身の楽曲に取り入れたものでした。その楽曲の制作背景を山口さんの軽快なトークで聴くことが出来てより興味を持って楽しめました!

会場は新潟市中央区西大畑町の砂丘館(旧日本銀行新潟支店長役宅)の蔵です。

蔵いっぱいに笛の音色が響きます。
~入場~
1.黄色い村の門(アイルランドの民謡をもとに山口さんが作曲)
2.貝殻節(山陰地方の民謡から。漁師たちの労働歌をお座敷で芸者さんと一緒に謡っていたもの)
3.(しずか。源義経の愛人であった静御前をもとに山口さんが作曲)
4.オヨーダイ(モンゴル民謡より)
5.私を泣かせてください(オペラ・リナルドより)
6.ミリャン アリラン(朝鮮民謡より。アリランとうのは「仲間たちを励ましながら、峠を越える」という意味がある。昨年の震災以後に日本への応援歌として演奏するようになった)
7.山唄(津軽山唄をもとに。山口さんが32年前にはじめて地方に芸能を習いにいった場所)
8.愛しきものへ(自宅の窓から落ち葉が散る様子を見ていたところから着想。葉が落ちて、新しい命が生まれるところに命の循環がある。それは喜ばしいこと。途中にアイヌの歌が入る。アイヌのアニミズムを信仰の意味が込められている)

~アンコール2曲~

山口さんが演奏で使用する笛の数々。

こちらはチェンバロ。15世紀頃に確立した歴史の長い楽器です。

2012年12月18日火曜日

五感のすべてが笛の音に|月刊「鼓童」2012年12月号


月刊「鼓童」の中で、「五感のすべてが笛の音に」という山口幹文さんの文章がとてもいいです。LIFE-mag.インタビューでも答えていただいた内容と重なるのですが、こちらの会報では、山口さん本人の文章でその表現をしています。

美醜に関わらず、心の中に多彩な風景を持つべきです。そのためには音楽に限らず、五感に訴えるすべてのものに触れてください。苦手な分野のものでも、その気になって目を向ければ何かを語ってくれるはずです。そしてその対象に関する好悪の原因を、できるだけ深くはっきりと探ること。これは自分の本質を理解し、ひいては個性や独創性を確立する一つの方法にもなります。

しかし、なんと言っても肝心なのは学ぶ姿勢でしょう。物事を身につけるにあたって、最初の段階では個性や独創性などというものは邪魔になるだけです。上達すれば、いずれ表現者として独自の色合いが出てくるもの。まずは謙虚な心持ちで取り組み、意欲を持って吸収することです。

この会報は鼓童の会に入会すると送られてきます。「友の会」は入会金1,000円、年会費3,000円から。http://www.kodo.or.jp/friends/index_ja.html

2012年12月17日月曜日

選挙終了と『3・11を読む』松岡正剛 著 平凡社 刊


昨日の選挙は、子どもをおんぶしながら近所の小学校へ。「明るい選挙」という名札をつけた係員と、投票所の雰囲気のギャップが大きいように感じました。すでに出た「結果」に組み込まれている自分の一票がどのような現実を見せてくれるのか、自分なりに注視していきたいです。

写真の本は8月に買ってちまちまと読んでいました。内容のひとつひとつが深淵で、なかなか読了せずでした。松岡正剛さんが「本」で案内する震災以後論です。ノンフィクション、原子力発電の技術、東北の歴史的背景、震災後の思想など、毎項一冊の本から独自の書評(千夜千冊)を展開していきます。

その中の一つに新潟日報社特別取材班『原発と地震 柏崎刈羽「震度7」の警告』2007年1月発行も取り上げられています。「原発と地震の関係を最も深く抉ったドキュメント」と評しています。

また、『平泉藤原氏』工藤雅樹 著の項では、源義経のチンギス・ハーン説の一文も。ちょうど先週末の鼓童・山口幹文さんのコンサートの一曲、「オヨーダイ」(内モンゴル民謡)の秘話でも言及があったところでした。

定価1,890円。430ページに渡り松岡編集工学の奥深さを見られます。お値段以上です。本の海への羅針盤にぜひ。

2012年11月29日木曜日

同世代のインディペンデント、長岡ローカル・蕗くん

先日、新潟県長岡市のグラフィックデザイナー吉楽蕗くん(GALLERY FUKI & KRAK OFFICE.)を訪ねました。

様々な人が彼の人柄を慕って事務所を訪ねています。そこで、LIFE-mag.の取扱をお願いさせていただきました。ありがとうございます。

蕗くんは店舗内外装からホームページ、名刺に至るまでのデザインや制作を行っています。訪ねた際に、長岡市内で見られる作品を回ってもらいました。その写真を以下にアップします。規格化された店舗デザインよりも、経営者やデザイナー、そしてそこに集うお客さんが作るお店のデザインというのは見ていても楽しいです。そういったひとつひとつの活動が街をより面白くしていくようにも感じました。

SPICY DOG(長岡市東坂之上町2丁目)

UP'S(長岡市東坂之上町1丁目)

Barber & SHOP NOBLE(長岡市旭町2丁目)

Carnet(長岡市山田2丁目)


ブライダルフリーマガジン ラブ

蕗くんの事務所にて




2012年11月26日月曜日

『嶋浩一郎のアイデアのつくり方』の中の往来堂書店


嶋浩一郎さん(博報堂ケトル代表取締役)の『嶋浩一郎のアイデアのつくり方』に往来堂書店さんに言及している箇所を発見です。

 このような創造を刺激する陳列方法として、圧縮陳列以外にも「文脈棚」というものがあります。
 これは東京ー千駄木にある「往来堂書店」の有名な本の陳列方法で、「雑誌」や「文庫」や「大型本」といったこれまでの本の整理法をいっさい無視して、その本のテーマにそって陳列するやり方です。
 同じないし似たテーマであれば、漫画だろうが学術書だろうが隣り合わせ。これを人間にたとえていうならば、同じ職業でひとつのグループをつくるのではなく、同じ興味でひとつのグループをつくるということでしょうか。
                                             ┛

一見、雑多なものの中から新しいアイデアは生まれる。情報と本屋をめぐる考察でした。
私の身近な例で言うと、飲み会を開くにしても様々な職業の人達が集まった方が楽しい気がします。小学校の頃のクラスみたいに、いろんなやつがいるカオス。楽しかったな(笑)

山口幹文さんコンサート@砂丘館、大山治郎コレクション美術館

1215日()に砂丘館(新潟市中央区)にて山口幹文さん(篠笛・真笛)のコンサートがあります!
午前はワークショップ、午後から二回のコンサートです。チェンバロとの美しい音色の共演をぜひ。

また翌日、1216日()は大山治郎コレクション美術館(燕市井土巻)にてコンサートです。会場はビストロ&cafe六朝館の隣です。カフェと美術館のコレクションにも合わせて注目です。


[詳 細]http://www.kodo.or.jp/news/20121215motofumi_ja.html




2012年11月24日土曜日

村上春樹初期作品

先月から友人の薦めで村上春樹さんの初期作品を3作読んでいた。
読みながらその情景がありありと目の前に広がっていく描写のうまさ。ぐいぐいと引き込まれた。
物語が父権的な展開にならずに、母系的な展開だと感じた。私の思う父権的というのは、読み手に単一の解釈を与えるような意味。反対に母系的とは、読み手ひとりひとりの解釈の自由度を包み込むような意味。
隙間時間などの気分転換にオススメですよ〜。




読書メモ
─────『1973年のピンボール』村上春樹(講談社文庫)の冒頭

 見知らぬ土地の話を聞くのが病的に好きだった。

 一時期、十年も昔のことだが、手当たり次第にまわりの人間をつかまえては生まれ故郷や育った土地の話を聞いてまわったことがある。他人の話を進んで聞くというタイプの人間が極端に不足していた時代であったらしく、誰も彼もが親切にそして熱心に語ってくれた。見ず知らずの人間が何処かで僕の噂を聞きつけ、わざわざ話しにやって来たりもした。

 彼らはまるで涸れた井戸に石でも放り込むように僕に向かって実に様々な話を語り、そして語り終えると一様に満足して帰っていった。あるものは気持良さそうにしゃべり、あるものは腹を立てながらしゃべった。実に要領良くしゃべってくれるものもいれば、始めから終わりまでさっぱりわけのわからぬといった話もあった。退屈な話があり、涙を誘うもの哀しい話があり、冗談半分の出鱈目があった。それでも僕は能力の許す限り真剣に、彼らの話に耳を傾けた。

 理由こそわからなかったけれど、誰もが誰かに対して、あるいはまた世界に対して何かを懸命に伝えたがっていた。
 

─────『羊をめぐる冒険』村上春樹(講談社文庫)より印象に残った部分

 僕は羊が羊博士を離れたあとの話をした。羊が獄中の右翼青年の体内に入ったこと。彼が出獄してすぐに右翼の大物になったこと。次いで中国大陸に渡り、情報網と財産を築きあげたこと。戦後A級戦犯となったが、中国大陸における情報網と交換に釈放されたこと。大陸から持ち帰った財産をもとに、戦後の政治・経済・情報の暗部を掌握したこと、等々。

「私も時々何かを探すことができればと思うんです」と支配人は言った。「でもその前にいったい何を探せばいいのかが自分でもよくわからないんです。私の父親はずっと何かを探しつづけてきた人です。今でも探しつづけています。私も子供のころからずっと父親に、夢に出てきた白い羊の話をきかされてきました。だから人生というのはそういうものなんだと思いこまされてきたんです。何かを探しまわることが本当の人生だという風にです」

 そんなわけでこの開拓地にはその後しばらく名前さえなかった。六十キロ四方に人家のない(あるいはあったとしても交際を望んでいない)部落には名前などそもそも不必要なのだ。明治二十一年に道庁の役人がやってきて開拓民全員の戸籍を作り、部落に名前がないのは困ると言ったが、開拓民たちは誰も困らなかった。それどころか開拓民たちは鎌やくわを持って共同小屋に集まり、「部落には名前をつけない」という決議まで出した。役人は仕方なく、部落のわきを流れる川に十二の滝があったことから「十二滝部落」と名付けて道庁に報告し、それ以降「十二滝部落」(後に十二滝村)はこの集落の正式名称となった。しかしもちろんこれはずっと先の話である。明治十三年に戻ろう。

「なぜ最初から場所を教えてくれなかったんですか?」
「君に自発的に自由意志でここに来てほしかったからさ。そして彼を穴倉からひっぱりだしてほしかったんだ」
「穴倉?」
「精神的な穴倉だよ。人は羊つきになると一時的な自失状態になるんだ。まあシェル・ショックのようなもんだね。そこから彼をひっぱり出すのが君の役目だったのさ。しかし君を信用させるには君が白紙でなくてはならなかった、ということだよ。どうだい、簡単だろう?」
「そうですね」

2012年11月23日金曜日

談志の田んぼライトマークプロジェクト2012(水と土の芸術祭市民プロジェクト)

私の地元である新潟市西蒲区岩室地区にて行われた、「談志の田んぼライトマークプロジェクト2012(水と土の芸術祭2012市民プロジェクト)」を見てきました!

生前、岩室の田んぼに通った談志師匠の一周忌に合わせて開催されました。夜空へと立ち上がった3本の光は、天国の談志師匠に届いたでしょうか。

久々に星空を見上げていたら、流れ星も見ることができました☆彡

芸術祭の会期も残すところ1ヶ月です。ひとつひとつのプロジェクトがあらためて新潟の街を見返すきっかけになっています。運営スタッフの皆様、ありがとうございます。最後まで体調崩さず頑張ってください!







2012年11月22日木曜日

地元応援クラウドファンディング FAAVO新潟

この度、「地元応援クラウドファンディング FAAVO新潟」において『LIFE-mag.【燕三条編】』の取材運営費の支援を募らせていただくこととなりました。

運営会社である株式会社サーチフィールドの齋藤さん、松岡さん、岡田さんよりご提案、お世話になり内容を作成いたしました。ありがとうございました。

クラウドファンディングという新しい取り組みを行うこのプロジェクト自体にも注目です!(http://faavo.jp/about

新潟発の企画がインターネットを通して、県内はもとより全国の方々に届くよう願っています。

ご支援いただけますよう何卒よろしくお願い申し上げます。


━━━━━以下にFAAVO新潟サイトの転載━━━━━
━━━━━支援の応募は本サイト(http://faavo.jp/niigata/project/19)より受け付けております━━━━━


このプロジェクトについて

FAAVO新潟の皆様、はじめまして。
私、小林弘樹は各分野で活躍する新潟人を紹介する雑誌『LIFE-mag.』の編集長を務めております。とは言っても、編集部には私しかいないため、取材、撮影、デザイン、営業、経理、広報など、雑誌を制作し出版する上での作業は全て一人で行っております。

『LIFE-mag.』とは

『LIFE-mag.』とは、芸術、芸能、産業、政治、音楽など、あらゆる分野で活動する新潟人を取材し紹介している自費出版の雑誌です。ひとつの地域の中にいかに多様な生き方があるのか、様々な職種の人をひとつの媒体にパッケージし、発信しているものです。
また、「インタビュー」形式を取って、なるべく相手の言い回しを換えることなくそのまま掲載しています。「編集しない編集方針」で、掲載者の語り口、その温度を残しています。
最新号の【佐渡編】では、知り合いの知り合いの家に数か月滞在して取材を重ねました。短期間でもその土地に暮らし、食べ、出会いを繰り返し、様々な縁を辿ることによってしか出来ない取材もあると思ったからです。


>>>【佐渡編】で取材させていただいた相田忠明さんが所属する「新穂中央青年会」の鬼太鼓。「鬼太鼓inにいぼ/朱鷺夕映え市」にて。

2年の休止、そして再刊へ

25歳の創刊当初、熱い思いが先行しすぎて、続けるための「事業化」するという視点が欠けていました。それにより実は過去、Vol.004まで出版したのち、資金面から休刊せざるを得なくなったという苦い経験があります。休止期間を経て2012年1月、再刊を決意。4月より【佐渡編】の取材を開始しました。

LIFE-mag.の一部をご紹介いたします。


芸能に生きて三十年(画面左の記事の文章です)
鼓童創設メンバーのひとり山口幹文さんへのインタビュー。入座のきっかけ、30年を越す活動の中で感じてきたこと、考えたこと、そしてこれからの活動と佐渡のこと。「鼓童創設期の大変な時期にも悲壮感はなかった。お金がないってのも楽しいもんです」ときに戯けてみせる。全国の郷土芸能の担い手こそ師と仰ぐ山口さん。その活動の軌跡の一端を、ここで一緒に駆け抜けてもらいたい。
(続きは、LIFE-mag vol.5よりお読みいただけます)

谷川俊太郎さんからの励ましの言葉

休刊後も、再刊を待望する声や、応援の声をいただくことが何度もありました。特に再刊の決め手となったのは、詩人・谷川俊太郎さんから頂いた「これは雑誌の王道だと思うよ。毎回楽しみにしていたんだ」という言葉でした。休刊を通じて自分を認めてくれていた人がこんなにいたのかと改めて気づきました。そして、Vol.005でも地域にしっかりと根を張り活動する人たちの声を集めようと取材を再開しました。


>>>谷川俊太郎さんと。「新潟・市民映画館シネ・ウインド」に映画「ヤーチャイカ」上映記念トークの懇親会にて『LIFE-mag.』をお渡しした。2008年12月19日。


>>>【佐渡編】で取材させていただいた渡辺啓嗣さんのトークライブ。読者が掲載者、作り手と直接つながることが出来る場をこれからも作っていきたい。

新潟人による新潟人を紹介する雑誌運営をご支援ください

つきましては、次号の出版費、そして今後のLIFE-mag.の運営費の募集をFAAVO新潟にて募らせて頂ければと思います。
皆様より頂いたお金は大切に使用させて頂きます。
募集金額以上に集まったお金も、雑誌出版の際に要される出費へ充てさせて頂きます。
また、全額使用するまで、毎月の活動報告をメールにてお送りさせて頂きます。

リターン品一部

LIFE-mag.や現在取材中の燕三条へより親しみをお持ちいただけるよう、
以下の品をご用意いたしました。
過去に出版したLIFE-mag.を1冊づつ、今回の新作と併せ合計6冊お贈りいたします。
次号の取材先である燕三条産品のぐいのみ2P 内面24金メッキ 桐箱をお贈りいたします。

これからの抱負など

まだまだ小さな活動ではありますが、これまで通り丁寧な取材を重ねよりよい誌面を作っていきたいと思います。同じ新潟県内の人に知ってもらうことも徹底しつつ、少しずつ全国へとその認知度を広めていく活動も出来たらと考えています。『LIFE-mag.』を通して全国の人が新潟の魅力を知り、翻ってはそれぞれが暮らす地域の魅力を再発見することに繋がればと思います。
人の一生は、有名無名を問わずドラマの連続です。一地域に溢れる多様な生き方に触れることで、読者自身の回りにも溢れる豊かな生き方に気づくきっかけとなれるよう精一杯活動してまいります。


>>>【燕三条編】の取材を開始するにあたって友人、知人の方々と一緒に飲み会。ここから縁を手繰るように取材を重ねていく。

ご支援の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

LIFE-mag. 小林弘樹

【リターン品】
◎リターン品のLIFE-mag.へ、ご希望の方へは編集人小林のサイン入りでお送りさせて頂きます!

◎500円
編集人・小林からの御礼メール

◎1,000円
編集人・小林からの御礼メール
LIFE-mag.vol.006【燕三条編】一冊プレゼント

◎3,000円
LIFE-mag.vol.006【燕三条編】三冊プレゼント

◎5,000円 
LIFE-mag.vol.006【燕三条編】一冊プレゼント
創刊号〜Vol.005までバックナンバー全号プレゼント

◎10,000円 



ぐいのみ2P 内面24金メッキ 桐箱
LIFE-mag.vol.006【燕三条編】一冊プレゼント
創刊号〜Vol.005までバックナンバー全号プレゼント

◎30,000円 / LIFE-mag.へ広告を出稿する!
LIFE-mag.vol.006【燕三条編】へ名刺サイズ広告の掲載(掲載内容、ページについては要相談)
LIFE-mag.vol.006【燕三条編】一冊プレゼント
創刊号〜Vol.005までバックナンバー全号プレゼント

◎30,000円 / 燕三条をもっと楽しむ!



創業一八十六年、無形文化財 鎚起銅器 玉川堂による、
ぐい呑み(大) ※写真のぐい呑みいづれかをひとつ、お贈りいたします。
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創業一八十六年、無形文化財 鎚起銅器 玉川堂による、
ビールカップ(大) 各 胴高115×口径70mm
※写真のビールカップいづれかを1個、お贈りいたします

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創業一八十六年、無形文化財 鎚起銅器 玉川堂による、
ラージカップ 各 胴高 145×口径70mm 
※写真のラージカップいづれか1つをお贈りいたします。
編集人小林から、直筆のお礼のお手紙
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