2016年8月28日日曜日

柏崎市高柳町荻ノ島へ②

8月25日、柏崎市高柳町荻ノ島を訪ねました。この日は2回目の訪問で、先日アップした記事にも書きましたが、同地区に滞在中のインターンシップ生2人(大学4年生)へのインタビュー講座の講師でした。

2人が参加しているインターンシップのテーマは、地区のおばあちゃんたちに聞き書きを行い、それをまとめ、フェイスブックページで発信するというものでした。約1ヶ月の期間、地区の行事に参加したり、農作業を手伝ったりしながら、交流を深め、聞き書きをすすめていくものです。

講座の1回目は「話の聞き方、記録の取り方」、2回目は「まとめ方、届け方」を話してもらいたいといった依頼でした。きれいに整った話ができないわたしでは、役不足だっただろうなぁと思いましたが、2人に伝えた要点はこんな感じです。

1.内側からこんこんと湧き上がる〈動機〉の大切さ
2.取材申込時に〈立場〉と〈目的〉を伝えること
3.大きなノートに〈質問は3つ〉に絞って書くこと
4.インタビュー取材から〈関係性〉がはじまります

わずかでも残る言葉が届いていればいいなと思います。

2回目の「まとめ方」では、わたしは、地区のおばあちゃん達10人分の人生から、荻ノ島の歴史・文化を浮かび上がらせるのはどうか? という提案をしました。お盆の風習(盆下駄を買ってもらったこと)。子どもにセーターを編んであげて大きくなれば、ほどいて編み直して着せた(ものを大切にする心)。茅葺き屋根での暮らし。高岡(富山県)に出稼ぎに出たときの都会の開放感。正月のごちそうはウサギだったこと。夫や家族が杜氏に出ていたこと(高柳杜氏)。地区の運動会や仮装大会の思いで。黒姫山の思い出。蚕を飼っていた暮らし。村にも響いていた戦争の記憶。などをある程度〈編集〉の目をもってピックアップするというものです。

それに対し、集落センターの春日俊雄さんから「そういったマーケティングの発想よりも、2人が感動した言葉だけ残してもらえればいい」との要望があがり、そちらの方向でまとめることになりました。当初、フェイスブックでの発信とのことでしたが、2人の途中経過のできばえが良かったのか、印刷物として残すようです。もしも一般に手に取れるものになるようでしたら、こちらでも案内させていただきます。

そして、先週に引き続き、講座後、高柳地区を歩いてから帰ってきました。また写真をすこしアップします。

澤田屋さんのジンギスカン定食でお昼を。高柳はかつてめん羊の産地だった

荻ノ島地区の棚田を登っていくとある湧き水を教えてもらったので、ひとりで行って、顔を洗ってきました

この湧き水から見えるのはこんな風景です

門出地区に移動して門出総合農場の鈴木貴良さん(右)、八代耕太さん(左)を訪ねる

鈴木さんは地域の若手(20〜30代)と一緒に「門出・田代べとプロジェクト」 という地域の歴史、文化を掘り起こし、小さなイベントを行う活動を行っています。
盆踊り(「しげさ」)のルーツを調査したり、古い温泉(天王山温泉)の源泉を辿ったり、マタギのじいちゃんにイノシシをさばくのを見せてもらったり、カンジキ作りを体験したりと様々です。そして、それらを活動の広報紙にまとめています。「残っていく、伝わっていくにはやっぱり〈紙媒体〉にこだわりたい」との思いが込められているそうです。むむむ、共感。

門出地区にある宿泊施設「門出かやぶきの里」の露天風呂。月明かりの下で入りたい...

[かやぶきの里]http://jonnobi-takayanagi.jp/stay/kadoide-stay.html


水路。個人的に萌えポイントです

石黒地区に移動。大橋勝彦さん宅へ。

大橋さんは『じょんのびだより』という地域誌の編集を2000年から続けています。地域の歴史、文化、自然、観光情報をおもに全国の高柳ファン、高柳出身者にむけて届けています。大橋さんの編集力が利いたいい冊子です。うちの編集室にも4冊あります。かなりおすすめ。

奥様の美恵子さんは織物や染色をやっていて展示会も行っています

ツクシ、アザミ、クロマイ、クサキなどで染めた糸(手前)。いま藍を育てていて、これから挑戦すると

山ブドウのツルで編んだバック。展示会に出すとほとんどが売れていく

ヤママユの糸で編んだストール(左)。やさしい手触り

2016年11月5日、6日と石黒地区で「からむし街道風土市」というイベントが予定されており、この時に7軒ほどのお宅が開放され、郷土料理、民芸品、工芸品の展示販売があります。詳細は観光協会WEBにまもなくアップされるそうです。

梅のシロップ煮を出していただきました

帰路、門出の「はしば鮮魚店」へ

豚モツやジンギスカンなど味付けの冷凍で売っています。豚モツを買いました

岡野町に移動。グルグルハウスに滞在中のオオサワくんと和可山食堂で麻婆麺

歴史・文化・自然の豊かさ、そこに暮らす人物の魅力にみせられた2回の高柳訪問でした。Life-mag.【高柳編】というのもいつかの問題意識として、アンテナを立てておきたいと思います(地域をまたぐのであれば十日町市の松代とあわせるといいのかも。【松代・高柳編】とか)。

再訪の機会が楽しみです。大橋さんに教えてもらった(絶景が楽しめるという)芝峠温泉は今回、時間がなくて行けなかったし。