2016年12月15日木曜日

里山ビジターセンターでトークイベント

里山ビジターセンター1Fホール

2016年12月11日、新潟市秋葉区の里山ビジターセンターで開催された「里山トークライブ」でゲスト・原 淳一さん(NPO法人アキハロハスアクション)の聞き役を務めました。お題は「Akiha里山が育む子どもの感性と生きる力」。

原さんは、にいつ丘陵の北端である秋葉山のなかに2011年4月、「Akiha森のようちえん」を開園させました。秋葉山のなかに10のフィールドを設定し、一年を通じ、子どもたちを森のなかで遊ばせています。

前半は、本業である造園業をやりながら感じた「公園整備」に対する矛盾、開園のきっかけになったドイツの「森のようちえん」見学などのお話を。

「開園時、一番苦労したのは?」との質問には、「いろんな人を巻き込んで迷惑もかけたかもしれませんが、わたしは好きでやってるので、苦労としてとらえてなかったかもしれません」との答え。

原さんと話していて思い出しましたが、2013年夏に取材にお邪魔させていただいたとき、子どもが自分の背丈よりも高い木に登っているのを見て、わたしはつい「あ〜、危ない、危ない。大丈夫?」と声をかけていました。しかし、原さんはじめスタッフさんは、とくに注意するわけでもなく...。

そのことを聞くと、「あの木に登っていたのは、最初の太い枝まで垂らしたロープにつかまって登れる子だったと思います。そこまで行ける子は登ってもいいと考えています。ただ、初めて登る子や、心配がある子が登るときも、すぐには止めたりはしません。覚悟をもって見守るんです」ということでした。

そこには子どもが成長のきっかけになるようなリスクは排除しない。子ども自身が自分の力量と危険性を自分で判断して、挑戦する機会を与えたいという思いがあるそうです。

「Akiha森のようちえん」では大人が指示してなにかをさせるのは2、子どもたちの自由時間が8になるような時間の過ごし方をしています。子どもたちの興味関心、得意不得意はばらばらです。その多様性を大切にしたい、単一の杓子定規を持って評価や競争をさせることはしないという方針があります。

後半からは原さんの話も熱をおびてきて、その溢れる情熱に触れることができました。

企画いただきました里山ビジターセンターの石添政子さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。

中・石添政子さん、右・原淳一さん

いやはや、それにしても拙い聞き役でした。自分の場を仕切る力の乏しさに愕然とします(毎度...)。来場いただいた皆さんにとっても頼りない聞き役だったかと思います。失礼しました。

最後に、今回のトークイベントの準備から本番を経て感じたことを一言、二言。

ひとつめ。

里山の自然に触れるということは〈無意識〉に触れることのようだと思いました。反対に、人工物で囲まれた都市や街は〈意識〉のなかで過ごすことではないでしょうか。

また〈無意識〉に触れることは、わたしたちの世界が抱えたまま、いまだ知り得ない〈未知〉に触れることとも言い換えられると思います。まだまだ知らない世界があると思うと、好奇心が湧き上がってきませんか? わたしは取材の企画を立てているときはそんな思いでいます。

もうひとつは里山ビジターセンターが新潟市の里山の魅力を発信するメディア(媒介者)になっていったらいいなぁという提案です。にいつ丘陵地域にはすでに様々な団体が里山の魅力を発掘、発信する活動を行っています。原さんも教育を通じてその役割をかなり担ってきました。そういった団体を繋いで、発信していくといいのではというものです。

例えば、「にいつ丘陵ファンクラブ」のようなものを作って、その魅力を再発見する機会(ワークショップ、トレッキング、講演会、音楽会、展示会など)をつくっていくのはどうでしょうか。

にいつ丘陵地域や近隣地域である五頭山(阿賀野市)や角田山(新潟市西蒲区)や護摩堂山(田上町)や加茂山(加茂市)などの地域で活動している方々を結べば、教育、歴史、考古学、自然(昆虫、植物、野鳥)、写真、トレッキング、食など様々な角度から里山の魅力をPRできると思います。きっと面白い人がたくさんいるんだろうな。

原さんたちが子どもたちに向けて活動を行っているのに対して、里山ビジターセンターは大人たちに対して、自然に触れることの楽しさ、里山の魅力を伝えていく活動ができたらいいのでは? と思いました。

里山に合う音楽会もよさそう。発想は自由ですが、やる方は大変ですよね...。

以上です。

秋葉区役所Webでも告知いただきました

市民としても里山ビジターセンターの活動を陰ながら応援、注目していきたいです。お世話になった皆さま、ありがとうございました。