-以下、引用-
この先に
何があるのかわからない
わからないけど
今 愛するものを愛して
あとは流れに身を任せよう
*
虚しさも悲しみも
恐れも嘘も
悪いものではない
孤独も憧れも
嫉妬も自己嫌悪も
希望と同じくらい美しい
*
自分の中の
ある願望に気づいた時から
その気持ちに苦しめられた
どうあがいても
制御できなかった
常に
その気持ちに引き寄せられた
気にしないふりをした
他のことをして気を紛らそうとした
忘れようとした
強烈なことをして自分を怖そうとすらした
でもそれから逃れることはできなかった
-引用終わり-
銀色夏生著 『ひとりが好きなあなたへ』幻冬舎文庫刊
10年ほど前にも友人から借りて、銀色夏生さんの本を読んだことがあるが、その独特のリズムが自分には合わないと思った。
「おすすめだから、読んでみな」と、昨日はまた別の人がふいに私へとこの本を手渡した。読んでみるとその印象はがらりと変わった。その印象は柔らかくも芯が通りズシリとしたものとして、10年後の私に突き刺さった。
本、または人も。
「出会い」や「すれ違い」のタイミングとは不思議で、どんな遠回りをしてもまた会えたり、この一瞬が今生の別れとなったり。自分の意識よりも大きな流れがあるように思える。