2014年1月19日日曜日

ラジオ出演、感謝とこぼれ話。


1/19(日)に放送された「hiro&hiroの新潟ステキプロダクション!」(FM PORT 79.0)に出演させていただきました。番組では泉田裕彦知事とアナウンサーの松井裕恵さんにお世話になりました。県庁広報広聴課の福間和治さんに打ち合わせで、番組の編集にあたってわたしのつたない話をうまくまとめてくださったFM PORTの編集担当の方にも感謝です。あらためて感謝申しあげます。ありがとうございました。

今日は(も)、営業〜納品〜精算回りで西蒲方面から燕市へと移動していました。燕市内の駐車場に車を停めてひとりで聴いていました。

番組の尺の都合上、カットされた〈こぼれ話〉をここにひとつ記しておきます。

Q.これまでインタビューした人で印象に残っている人は
という質問の応答でした。

一人を上げるのはとてもできないというのが率直な答えですが、やはり何か答えなければいけません。今回、ぱっと思い浮かんだのが、vol.004で取材させていただいた小島夢人者(ムジャヒド)さんでした。

ムジャヒドさんは、新潟市北区にあるイスラム教のモスク・イスラミックセンター新潟の代表を務めています。

わたしがインタビューを申し込んだ当時、9・11のテロを背景にイスラム教に対するイメージがよくありませんでした。また、ちょうど新潟のモスク近辺でもいくつかの事件が続き、どうしても治安が悪い、怖いといったイメージがありました。

大手メディアの報道をなんとなく眺めていて、ほんとはどうなんだろうという思いがずっとありました。実際にその「人」を訪ねて、自分なりに記事にまとめてみたいと取材を申し込みました。

インタビューさせていただいたのは、「イスラム教ってどんな宗教?」、「ムジャヒドさんが日本、新潟に来たのは?」、「新潟で家庭を築いて暮らし感じていることは?」といった大きくわけて3つでした。

ムジャヒドさんは日本語を話すことはできますが、読むことはあまり得意ではありませんでした。原稿の確認時、モスク脇の駐車場に停めた車の中で二人、読み合わせをしました。ムジャヒドさんに助手席に座ってもらい、わたしは運転席に座り原稿を読み上げました。修正が必要な箇所数点、赤を入れました。

読み終わってムジャヒドさんが、「イスラム教やわたしたちに対するイメージというのは、日本でも、新潟でも決してよいとは言えない。またそれを大手メディアが報道で煽っている面もある。わたしもいくつものメディアから取材を受けたが、そのどれもがわたしの言いたいことからずれていた。しかし、今回、小林さんが素晴らしくまとめてくれました。ありがとう」

パソコンもカメラも持っていない状態から雑誌づくりをはじめて、vol.004まで作ってきたところでした。ド素人の人間が取材させていただき、ご迷惑をかけ、お世話になっているのはこっちのほうなのに、逆に感謝されるという。

ありがたいことに他にもこういった出会いに恵まれ取材を続けさせていただいております。話し出すときりがないので、また何かの機会があれば発信し、残していけたらと思っています。


vol.004 表紙

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2014年1月12日日曜日

【新装版】『Niigata Interview Magazine LIFE-mag. vol.007【新潟・市民映画館 シネ・ウインド編】』

【新装版】『Niigata Interview Magazine LIFE-mag. vol.007【新潟・市民映画館 シネ・ウインド編】』が納品となりました。タイトル「風をきり、闇をゆけ、そして光となれ」。


取材させていただいた方、お世話になった方を優先的に回っていきます。その後、書店、取扱店を回っていきます。多くの方々よりご協力、ご支援いただいておりますが、相変わらず一人での納品・発送・営業活動です。すぐに書店等に行きましてもまだ並んでいません。

納品状況につきましては、お取扱店にお問合せいただくか、ホームページfacebookページでご確認くださいますようよろしくお願い申し上げます。

『LIFE-mag.』は、お住まいの地域の取扱店等でお買い求めいただくことをおすすめしています。ただ遠方の方へは通信販売も行っております。全国の郵便局窓口・ATMからの購入が可能です。

また、『LIFE-mag.』ではお取扱いただける書店、カフェ、ギャラリー、ショップ等を随時募集しています。委託販売または買取販売にて対応させていただきます。お問合せは、メール|niigata@life-mag.com 電話|025-378-3258 まで。

名もなき市民がつくりあげた、あらゆる表現の舞台「シネ・ウインド」。「オレは安吾をやるんだ」と宣言し、「市民・映画館」をはじめた齋藤正行代表へのロングインタビュー。支配人の井上経久さんはじめ、関係者へのインタビュー、寄稿、再録文で構成しました。

新潟の街に吹く、シネ・ウインドという「風」。この場がもつ可能性をいまあらためて多くの方に知っていただけることを願っています。

どうよろしくお願いいたします。

─────────────目次─────────────

《詩》「ひとつの歴史」――鈴木 良一
《序》「風をきり、闇をゆけ、そして光となれ」
《インタビュー》齋藤 正行(シネ・ウインド代表)
《インタビュー》井上 経久(シネ・ウインド支配人)
《レポート》「月刊ウインド」――市川 明美(『月刊ウインド』制作長)
《レポート》新潟青年連絡会議――山田 四郎(元事務局)
《レポート》新潟・水都寄席――渡辺 伸義(シネ・ウインドボランティアスタッフ)
《寄稿》「齋藤正行にみた、安吾の面影」――小川 弘幸(文化現場)
《再録》シネ・ウインド日記――『別冊あ・の・ね』
《寄稿》『シネ・ウインド日記』と成しえなかった夢のこと――南陀楼 綾繁(ライター・編集者)
《寄稿》「本と映画が灯すもの」――佐藤 雄一(北書店)
《再録》「映画館のニオイ」――中沢 敬子(『月刊ウインド』編集部)
《年表》「ウインド暦」――二十八年を振り返る

B5版・88ページ・本体価格800円(3/31まで定価840円)

─────────────追記─────────────

すでに【旧版】を購入いただだいた方に関しましては、【新装版】に交換・回収させていただきます。購入された取扱店にお持ちいただくか、またはLIFE-mag.編集室にお問い合わせください。

問 合:LIFE-mag.編集室
電 話:025-378-3258
メール:niigata@life-mag.com
住 所:新潟市中央区学校町通三番町555-9

誤解と混乱を招きましたことお詫び申し上げます。

『Niigata Interview Magazine LIFE-mag.』編集・発行人 小林 弘樹

車に積み納品、リュックに入れ行商、
封筒につめて発送したりと仕事を
進めていきます。どうぞよろしく
お願いいたします。

産経新聞「きょうの人」掲載(2014年1月11日付朝刊2面)

産経新聞「きょうの人」(2014年1月11日付朝刊2面)に掲載していただきました。



あわせて「msn産経ニュース」(掲載期間は約半年ほどだそうです)にも掲載いただきました。


記者の臼井慎太郎さんには3度ほど取材でお会いしました。全国紙で活躍する第一線の記者に取材されるというのは、それ自体がわたしにとって学びの機会でした。

コメダ珈琲店 新潟新和店にてはじめての取材。左が臼井記者。

新潟市の片隅、小さな編集室から発信するメッセージ。全国のローカルで根を張り、足を踏ん張る多くの方々にこの試みが届くことを願っています。貴重な機会をいただきましたことに感謝します。ありがとうございました!

2014年1月10日金曜日

「hiro&hiroの新潟ステキ再発見!」(FM PORT 79.0)に出演

収録後の記念撮影


1/19(日)11:45〜12:00放送の「hiro&hiroの新潟ステキ再発見!」(FM PORT 79.0)に出演させていただきます。

泉田裕彦新潟県知事とアナウンサーの松井弘恵さんの番組です。昨日、その収録が新潟県庁知事室で行われました。トリプル「ヒロ」対談でした。

知事は、明るく好奇心溢れるような人柄でした。知事の前で緊張するわたしを松井さんにフォローしていただきました。短い時間でしたが、少しつっこんだ思いも話すことができました。

[質問内容]
1.雑誌の紹介をお願いします
2.すべて一人でやっているそうですが、、、
3.なぜ雑誌を作ろうと思ったんですか
4.取材を通じて発見した「新潟のステキ」は
5.これからの予定は

でした。

タイミングがあえばぜひ番組を聴いてみてください。

貴重な機会をいただきましたこと感謝します。ありがとうございました。

[FM PORT]http://www.fmport.com/


県庁正面

風神雷神図屏風写

県庁自体に入ることはほとんどありません。建物に近づくだけで、なんだか緊張します。自転車で行ったのですが、「自転車ってどこに置けばいいんだろう」と迷ったくらい。

県庁に入ると社会科見学のような気分で、少しだけ中を歩きました。上の写真は県庁1階のホールの展示です。

解説のパネルがありましたので、ここで紹介させていただきます。

国宝 俵屋宗筆 京都建仁寺所蔵
「風神雷神図屏風写」
絹本金地友禅彩色 二曲一双屏風

“この屏風は、国宝「風神雷神図屏風写」を現代の伝統工芸士が、当時の作風に倣い、1年余りの時間をかけて仕上げた作品です。絹地に金箔を押し、友禅彩色を重ねた本作は、美術工芸品として国内はもとより、ドイツやフランスなど海外の見本市でも高い評価を得ています。十日町の友禅きものメーカーの協力を得て、佐渡で製作された本作には、新市場開拓や海外展開をめざす新潟県人の夢と挑戦の想いが込められています。”

すごく見応えがありました。

2014年1月7日火曜日

職人的に生きるということ



「職人的に生きるということ」

ぼたぼたと雪が降っていた12月のある日、『LIFE-mag.【燕三条編】』でお世話になった外山健さんを訪ねました。

生涯をかけて鍛冶職人として生きたその姿が、その日もそこにありました。すきま風の通る、薄暗いその鍛冶場は、いまでは全国的に見ても数少なくなっています。

素材の仕込みから、形をつくっていく作業、商品としての仕上げまで、一貫して一人の身体から生まれてきます。小さな小さな仕事の限りない積み重ね、終わることのない研鑽の日々。それはまるで修行僧のようにも思えてきます。

職人の手から生み出される商品は、簡単にレバレッジが効いて儲かるような話ではありません。自分の手と足と目と頭と皮膚の感覚、研ぎ澄まされた勘と経験のもとでひとつひとつの商品(「作品」のようにも思う)が生まれていきます。こだわり抜くという圧倒的な非効率のもとでしか仕事をしないというその姿勢。

トッ・・・、チッ・・・。
トッ・・・、チッ・・・。 
シーーーー、カシッ。

失われゆく手仕事の中にしか流れないその時間の中に、もっとずっと浸っていたい。そんなことを感じていました。その時に撮影した映像です。

『LIFE-mag.』も自分の足で歩き、見て、聞いたことを丁寧に記録し、伝えていきたいと、その姿勢を正されるような思いがしました。

2014年1月5日日曜日

謹賀新年・2014



新年あけましておめでとうございます。2013年のご愛読、ご支援、ご協力にあらためて感謝申し上げます。ありがとうございました。

2014年も学校町通の小さな小さな編集室から、こつこつと仕事を積み重ねていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

3日の夕方に編集室の掃除機かけをして、4日の午前0時からがさごそと資料の整理やら、年賀状、メールの返信作業をはじめました。

以下の文章は、2013年を振り返って年末にまとめていたものです。
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今年の大きなトピックスをここで少しだけ振り返っておこうと思います。大きく分けて3つあります。

LIFE-mag.vol.006【燕三条編】』の発行
本格的に取材をはじめたのは、今年の1月から。約半年間の取材編集期間を経て、発行となりました。新潟市から燕三条方面にいくと、雪が多かったのを思い出します。

街を歩き、人に会い、偶然と幸運の出会いに恵まれ、取材をさせていただきました。『LIFE-mag.』というヨソ者が、燕三条という土地に語りかけ、その応答がvol.006となったように思います。その土地の歴史、風土、漂う空気が、それぞれ取材させていただいた方のカタチを借りて浮かび上がったと感じています。

出版記念イベントをやれていないのが、心残りです。取材させていただいた方のお話を読者の方々といっしょに直接聞く機会を作りたいと思っています。

LIFE-mag.特別編集企画「日本海を結んで考える、『地域』の未来とは」【秋田・山形・新潟・富山・石川編】

燕三条編を取材しながら、着想したものです。「一冊の雑誌を編集する」ということで土地と土地、人と人を結びつけることができるかもしれない。燕と三条という土地を深掘りする中で、新潟という土地を客観視し、次の瞬間に日本海地域という視野に立っている自分がいました。今回は、新潟県と南北につながっている秋田、山形、富山、石川の5県を日本海地域と設定して取材を進めることにしました。「地域づくり」や「コミュニティビジネス」といったテーマを設け、地域にある多様な資源を使い事業を展開されている方を取材しています。

こういった大胆な企画を可能にしたのもインターネット上で活動資金を募るクラウドファンディングの存在が大きかったです。『LIFE-mag.』がお世話になったのが、東京の株式会社サーチフィールドさんが運営する「Faavo」です。

企画を起案したものの果たして目標金額を達成できるのかどうか、大きな不安もありました。目標金額を達成したのは、締切20分前。予想を上回る多くの方々より支援いただけましたことに感謝しかありません。

そんな中、ただただ申し訳ないのですが、発行まで当初予定より遅れての進行になっています。当初予定の10名掲載を倍増させたこともありますが、わたしの計画の甘さに全責任があります。取材は現在も継続中で、20名の掲載予定中、14名の方々に取材させていただきました。
また、年明けからの取材を予定しています。facebookページを中心に取材レポートをあげていきますので、お時間許すときにのぞいていただけますと幸いです。

LIFE-mag.vol.007【新潟・市民映画館 シネ・ウインド編】』の編集を終えて

「シネ・ウインド」の齋藤代表「北書店」店主の佐藤さんから声をかけてもらい、企画・編集に至りました。ことの発端は、『あ・の・ね』という雑誌に連載されていた齋藤さんの「シネ・ウインド日記」を再刊できないか、と二人が話し合ったことでした。そこで、ただ再刊するだけでなく、『LIFE-mag.』なりに追加取材、インタビューを行い、再編集して発行できないかとお話をいただきました。

名もなき市民が作りあげた、あらゆる表現の舞台。シネ・ウインドと齋藤代表、そして、それを取り巻く新潟という街の歴史。いまあらためて多くの方に知っていただけたらと思います。

こちらは年内発行の段取りで一度、刷り上がってきました。しかし、印刷工程におけるトラブルが複数みつかったため現在、印刷会社さんをかえて刷り直し中です。

「雑誌づくり」、「事業経営」の難しさをあらためて突きつけられました。刷り上がりの予定がわかりましたらまたご案内させていただきます。


最後に雑感を。

ここ数年ずっとそうですが、今年もまた自分の無知と未熟さを痛感する日々でした。またあわせて頂いた恩恵やご縁の計り知れなさに感謝する日々でした。

時々ですが、なんだか時代錯誤なことをやっているなとも思えてきます。協働やコワーキング、コラボなどが言われて久しいこの時代。「仲間を集めてみんなで!」というような雰囲気の中で、一人出版社って。楽しさや笑い、軽やかさ分かりやすさが求められる時代に、文字ばっかりのインタビュー雑誌って。しかも、紙媒体。

自分に言い聞かせるためにも確認しますが、『LIFE-mag.』では、取材させていただく方々の割り切れない思いや悩み、葛藤にも寄り添えたらなと思っています。言いたいことを完結にして、結論を最初に言うのではありません。取材させていただいた方々の人生から学びとるべき点は読者ひとりひとりによって大きく異なります。また、そのタイミングも重要です。
創刊前からかわりませんが、カテゴライズされ、割り切られたものではなく、雑種性や関係性の中で捕らえるべきこともあるのではないかといまも思っています。

『LIFE-mag.』発行を続けていく中で、わたしの思っている以上に共感、感動、応援してくれる方々に出逢えることに感謝です。また逆に思っている以上の困難や失敗、批判があることも事実です。その大きな振り子の真ん中で、引き裂かれまいと格闘しているような気もします。そして、その揺れの中でこそ生きていることを実感している自分もいます。
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2014年1月4日午前2時頃編集室前にて撮影

まだまだ未熟な媒体と編者ですが、2014年もどうぞよろしくお願いいたします。

2014年1月4日土曜日

痛みと脆さによってつながるもの



村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を年始に読みました。

相手を傷つけることによってしか前に進むことのできなかったある五人の若者の物語。

「人の心と人の心は調和だけで結びついているのではない。それはむしろ傷と傷によって深く結びついているのだ。痛みと痛みによって、脆さと脆さによって繋がっているのだ。悲痛な叫びを含まない静けさはなく、血を地面に流さない赦しははく、痛切な喪失を通り抜けない受容はない」(引用)

それぞれがそれぞれの役割を持って、調和していると思っていた仲良しグループ。ある日、突然、多崎つくるは拒絶されることになる。死ぬことしか考えられなかった時期を越え、十六年の歳月が流れた三十六歳の年。完璧に調和していると思っていたグループからなぜ、自分は拒絶されたのか。フィンランドの同級生を訪ねるまで続けられる。

文中に新潟県三条も出てきて「おっ」と思います。村上春樹の小説は数冊しか読んだことがありませんが、いつも物語による癒しの効果を感じます。痛みを伴ってもなお、生き、進む物語に背中を押されました。

あの世=芸能界からの報告



水道橋博士『藝人春秋』(文藝春秋)を年末に読みました。

芸能界という「あの世」に、命がけの跳躍で飛び込んだ博士からの報告。芸人がときに命がけで斬り合うように、博士もまた掲載者と命がけで斬り合って書いたもの。この筆致こそ文藝だと思いました。シビレました。

稲川淳二、ポール牧、爆笑“いじめ”問題の項が特に印象的。

時に暴言と失態を繰り出す強烈な個性も、そうしなければ生きていけない芸人の業をみるよう。気になる項から前後しながら読めます。面白かったです。