「幸せってみんなの日常に溢れていて、それを感じるかどうかなんですよね。おにぎりを食べるにしても、せわしなく食べるのか、感謝して食べるのかで違いますよね」そう語る「笑顔写真家」かとう ゆういちさん。
かとうさんの使う言葉はとても明るく前向きな表現が多い。「笑顔」、「幸せ」、「あったかい」・・・。私だったらとても書けないような言葉を使うんだなという印象を持っていた。
テレビ、新聞、ラジオなどあらゆるメディアに登場しているかとうさんを私は一方的に見続けてきた。その印象は、どこかはかなく、揺れているようにも思えた。ただ、不確かな自分に耐えきれず、必死に、確かに生きている手応えを掴もうとするその姿は気になっていた。今回、実際にお話をさせていただいたが、その印象はあまり変わらなかった。
今回のフィルムショーの宣伝文を一読して、今までと何かが違う、という勘が働いた。話を聞いてみると、今回のフィルムショーを境に、笑顔を「集める旅」から「届ける旅」に移るとのとこだった。
現在、27歳のかとうさん。同世代の彼の新たなる門出に、私の出来ること「記録する」ことでエールを送る。悩みながらも、進むその軌跡の一端を映像と文章でここに記録した。
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Q.今回の企画の経緯や動機は
A.これまで4年2ヶ月の間旅をしてきた集大成をカタチにして届けたかったんです。全国各地に旅をして、その土地に暮らし、生活をともにする中で僕が集めてきた小さな幸せ、笑顔、喜びを伝えたかった。
でも正直に言うと、僕が集めるだけ集めて、逆に届ける、次に渡すということをしてこなかったことへの情けなさもありました。
Q.準備期間はどのようなものでしたか
A.97,544枚の写真と、各地の人の思いを聞き綴ったコト、メールをいただいたこと、手紙をもらったことなどをまとめた20冊の『旅ノート』と向き合う期間になりました。これまでの自分と向き合う貴重な時間でした。
朝から晩まで準備をし、今回のライブにすべてを懸ける思いでのぞみました。
Q.トークライブを終えていまの思いは
A.今までは僕個人の旅だったものが、5月12日を境にいよいよみんなの旅になっていくんだなと思いました。これまで僕が集めてきた小さな幸せ、笑顔の旅を今度は全国の人たちに届けていく段階に入ったなと。これから京都、三重、富山をはじめ全国でこういったトークライブを行いたいと思っています。
Q.三条、新潟での活動予定は
A.三条市からの依頼で制作した地産地消PR冊子「三条をいただきます」(http://www.city.sanjo.niigata.jp/nourin/page00172.html)。これの第二弾の制作が決まったので、制作を進めたいと思っています。
みらいずworksさん(http://miraisworks.com/)のプロジェクトメンバーに入っていて、新潟市東区の中学校の総合学習を一年間かけてお手伝いさせていただきます。「地域再発見」というような内容で、チームに分かれた生徒たちがデジカメを持って、地域を歩いていくんですね。
燕三条エフエムラヂオは〜と(http://www.heart768.com/)の「Slow Remix」で「ふるさと再発見」というコーナーを持っていて続けていきます。
Q.これからの予定は
A.トークライブをやっていくこともそうですが、ホームページの作成と写真集出版を考えています。
ホームページは、全国の人たちが自分の日常にある幸せな瞬間、時間、思いを、写真や動画、文章などで投稿できる仕組みを考えています。多くの人たちのそれぞれの幸せを共有できたらいいなと思っています。散歩しながら見た夕日、家族揃って夕ご飯の写真、子どもの成長など。いろんな人たちと一緒に幸せ探しの旅に出たいですね。
写真集の出版もまた新たな旅なんです。まだどういうカタチでの出版かはわからないんですが、今年(2013年)の11月10日に出版したいです。それは、ジョン・レノンが『imagineイマジン』という曲を11月10日に日本で発売(1971年)した日だからです。僕はあの世界観にすごく影響を受けているので。
profile)────────────────────
birth 1986.2.17
place 三条市島田
web http://www.egao-no-tabi.jp/