新潟日報みらい大学 |
同時開催の新潟ブックフェア |
2018年10月12日(金)18:30〜、新潟日報メディアシップで開催された新潟日報みらい大学「本と人をつなぐ場所 書店のみらい」に行ってきました。
基調講演はライターの石橋毅史さん。演題は「本屋の見方、楽しみ方(私の場合)〜LIVE本屋な日々 メディアシップ篇」でした。
「本屋」をひとつの人格、または店主そのものとして捉えてみる、という話に共感しました。「書店」という言葉が「商品」や「本棚」をあらわすとしたら、「本屋」は店主の個性を反映した人格的なものとしての意味をもつ、と。たしかにがんばり屋、さみしがり屋など〈屋〉がつくと人間的な響きが出てきます。
花(のような本)を売る店か種(のような本)を売る店か、POP全盛期の現代にあえてPOPのない店には要注意など石橋さん流の本屋の歩き方が語られました。
2部は「新潟の書店のこれから」と題して、北書店・佐藤雄一さん、BOOKS f3・小倉快子さん、竹内隆司さん(元書店主)、石橋さん、そして日報文芸部の大日方英樹さんが進行役として登壇しました。
格式張った場に時折、投げ込まれる佐藤さんの直言がとくに面白かったです。話の流れでぽろっと出るんですよね。
「暗い未来だっていいんじゃないですか」
「最後の瞬間、楽しかったなって思えれば」
など。「文化の灯火を・・・・なんとかこうとか・・・・」という大日方さんの進行を気持ちよく遮って、「そんなこと考えて店やってないっす」。
小倉さんもそうだと思いますが、独自資本でひとりで店を切り盛りするのはもっと泥臭い現実に向き合っているんだろうな。
石橋さんは佐藤さんを評して、一見すると接客はぶっきらぼうかもしれないけど、本の並びは1冊1冊きめ細かに本の相性をみて置いている。ここにその本があるのには理由がある、ともコメントしていました。
小倉さんのお店BOOKS f3は写真集を専門にした本屋です。友人に贈る本(写真集)、いまの自分の気持ちに寄り添ってくれるような本を教えてもらいたいなど、ぜひ気軽に声をかけて欲しいとコメント。また、写真展と写真家のトークを年間通じて企画しています。演題にもあった「本と人をつなぐ」場づくりを懸命に続けています。
あらためて感じたことですが、佐藤さんは棚(スリップ)を通じて、お客さんと会話するのを心底楽しんでいるんだなと思いました。他の本屋では目に止まらないような本をぽっと置いておく、そんな作業を続けている。
そこにあるのは〈遊び心〉なんだろうなと思いました。