第一部は「未来の幸福のために今できること」
講師:山崎 亮さん(株式会社studio-L代表)
第二部は「未来へ!つばめの幸福のカギは?」
スピーカー:捧 美佳さん(つばめステッカー考案)、武田 修美さん(株式会社MGNET代表取締役)、深海 寛子さん(はっぴーザウルス代表)
コーディネーター:倉重 美智子さん(燕三条エフエム株式会社)
市の担当職員:川上さんから挨拶 |
このイベントは、燕市が設置する「つばめ若者会議」のスタートイベント。「燕市の20年後の将来像『未来ビジョン』を描き、その実現を目指す若者によるまちづくりの場」とのこと。
『LIFE-mag.』でも燕三条編の後記として取材させていただきました。会場には定員の200名ほどはいたかと思います。
以下に、第二部の発言の要約メモです。会場では、動画撮影が行われ(すごく本格的な機材でした!!)、燕市職員の広報の方もいらっしゃいました。そちらの公式レポートも後日参考にしてください。
左から、捧さん、武田さん、深海さん、山崎さん |
Q.自己紹介と燕市のおすすめスポットは?
捧さん:「つばめステッカー」は人と人がつながるきっかけになればいいなと思い考えた。宮町商店街に住んでいるが、近所同士でも新しく知り合うのは難しい。
昔から音楽が好きでライブハウスによく行っていた。そこでは、「音楽」を介して様々な年代の人が知り合うことができる。そういったコミュニケーションツールになればいいなと思った。
おすすめスポットは、自分の家の屋上から見える景色。町並みや夕焼け。そこから見える家の人がみんな知り合いだったら楽しいと思いませんか。ある時間になると手を振り合ったり(笑)。
武田さん:名刺入れの専門店を経営している。最近、燕でも自社ブランドを展開しているところは増えている。日経BP社との共同企画で、「燕三条・職人ワザ舞台裏探訪」を企画した。
この地域でも様々な活動をされている方がいる。異業種同士がぶつかり合って、新しい何かが生まれる可能性にかけたい。
おすすめスポットは、燕産業史料館。初めて訪ねたさいに、名物学芸員さんに説明してもらった。自分の住んでいる土地の歴史の深さに驚き、感動して泣きそうになった。学芸員さんは、通称インディさん。インディさんに声をかけられて若者会議に入った。
深海さん:生まれは阿賀野市で、燕にはお嫁に来て6年目。娘がダウン症で生まれてきた。バリアフリーのプレイルームをつくる「はっぴーザウルス」を主宰している。その子らしさを表現できる場所。障がいがある子もない子も、その子を理解してあげられる場所を、いい関係性をつくれる場を。
おすすめスポットは、「こどもの森」。そこの館長さんにお世話になっている。研修室を使ってイベントをさせてもらっている。
Q.山崎さんコメントを
山崎さん:みなさん人と場所が結びついている。燕市ではどんな体験ができるのかを考えるのもいいのでは。キャラの濃い人に会えるツアーとか。インディさんに僕も会いたい(笑)。
「瀬戸内しまのわ2014」、「土祭(ひじさい)」、「猪苗代アール・ブリュット美術館」などの活動が参考になるかも。
ユングやフロイトを持ち出すまでもなく、障がいは誰もが持つもので、グラデーションのようなもの。僕だってかなりの変わり者(笑)。障がいのあるないを問題にするのは20世紀的。
Q.どんな燕市になってほしいか、自分のできることは
捧さん:知らない人がいない町。みんな知り合い。災害の時でも、80歳のおばあちゃんがどの家にいるかわかって、助け合えるような。その知り合うきっかけのひとつに「つばめステッカー」がなればと。
ライブハウスのような、いろんな人が遊びにいける場所があるといい。
武田さん:若い人が残りたいと思える燕市。それは見た目からでもいい。カッコイイからというのもいい。産業史料館もまず見た目がカッコイイ。スプーンひとつをあれだけ洗練された展示にしてる。
そういった情報を発信していきたい。googleのような会社とまではいわないけど、カッコイイと思える会社が増えれば、若い人も残ると思う。若い人が活躍できる燕市になったらいい。
深海さん:障がいのある人もない人も一緒に過ごせる町。みんな違うから面白い。障がいのある子の想像力って豊か。
はっぴーザウルスの活動を通して、共に学び会える場、体験を通して学べる場を作っていきたい。
学校・企業・地域がつながっていけたらいい。
Q.山崎さんコメントを
山崎さん:人と人がつながっていくと大きな力になる。オシャレでカッコイイということは、若者をつなげるのに重要。
プロトタイプでいいから100コくらいのプロジェクトをやってみる。手を動かし続ける、足を動かし続けることが大切。デザイン思考も大切。
Q.スピーカーの方、最後に一言を
捧さん:ポジティブにしか考えられない。
武田さん:出る杭は打たれるのかもしれませんが、もう打たれることを趣味にしようかと(笑)。会社の売上に直結しないようなことでも、燕市の環境を整えていくことは、巡り巡って会社のためになると思う。
深海さん:もうシンプルに頑張ろうって思った。
Q.山崎さんまとめを
山崎さん:人、モノ(場所を含む)、カネ、情報が大切。燕だったら何ができるか。何度も言われていることだけど、地域の魅力を再発見することはやはり大切。一人一人が目利きになることが大切。良いって言われているけどそれほどでもないこと、あまり注目されていないけど良い物がある。
Q.会場からの質問に答えて(編者の理解力不足で、質問の主旨をうまく聞き取れませんでした。武田さんの答えが印象深かったのでそちらを)
武田さん:わたしは「初音ミク」が好きで、どうにかコラボできないかって考えます。無理かもしれません、でもその可能性を突き詰めていくことが楽しいんです。
「あの会社ヤバくね!?」と思ってもらえるようなことをやりたい。
Q.会場からの質問に答えて(すみませんが、こちらもうまく質問の主旨を聞き取れませんでした。編者の理解力不足です。山崎さんの答えで印象に残ったことを)
山崎さん:流域単位で物事を考えるべき。中山間・離島地域と都市部をセットにして考えること。
[総括]鈴木力燕市長より
燕市を日本一輝いている町にしたい。わたしは昭和35年生まれ。大学で東京に出たら、全国から集まる友達がみな燕市を知っていた。「あぁ、教科書に載ってたね。洋食器産業が盛んな町」と。
いまは若者の声が聞こえてこない、姿が見えない。人口の減少、経済規模の縮小など社会的な問題がある。燕市のよりよい未来を若い人たちに考えてもらいたい。その場を作るのは、高度経済成長を経験したわたしたち世代の責任だと思う。
ある時、テレビでIターンが多いという海士町の特集をみた。1人、10人、100人、1000人でできることに分けた提案書が印象的だった。住民の方から、こういうことをやりたいから、ここを手伝ってもらいたいということをうまく引き出したまちづくりだった。ファシリテーターの重要性を感じていた。
市職員の川上くんをはじめ若手に「つばめ若者会議」の立ち上げを任せた。すると海士町の仕事も山崎亮さんということがわかった。
「つばめ若者会議」を議会で認めていただくのは大変だった。
燕市も人口は減っていくかもしれないが、「活動人口」を増やしていけたらと思う。
「つばめステッカー」買いました!取材ノート表紙に貼ります! |
LIFE-mag.の感想)────────────────────────────────────────────────
スピーカーの方それぞれが、自分たちの暮らす地域を、日常を、楽しくできないか?よくしたい。自分にできることはこんなことかな?よし、やってみよう!と活動されているのが伝わってきました。
得意分野、関われる環境、価値観はそれぞれに違うと思いますが、燕市での暮らしをよくしていきたい、という思いは同じ。
燕市にはスピーカーとして登場するべき人はまだまだ多いように思いました。
山崎亮さんをファシリテーターに迎え燕市が設置する「つばめ若者会議」の活動に今後も注目です。多様多彩な人同士が出会い、面白い化学反応が起こるのが楽しみになりました。