2013年6月4日火曜日

「地域マスメディアの逆襲〜地域活性の視点から未来を考える〜」事業創造大学院大学


今回のチラシ

地域マスメディアの逆襲〜地域活性の視点から未来を考える〜
201362日()15:00〜@事業創造大学院大学
ファシリテーター:信田和宏さん(事業創造大学院大学教授)
パネリスト:加藤博敏さん(株式会社ピーエイ代表取締役社長)、鈴木聖二さん(株式会社新潟日報社論説編集委員室長)、南加乃子さん(株式会社新潟放送報道制作局専門局次長)、若林修一さん(株式会社ニューズ・ライン代表取締役社長
主催は事業創造大学院大学同窓会さんです。

エントランス入ってすぐのロゴ

お題が「新潟の活性化のためにマスメディアが『できること、やるべきこと』とは。」でした。新潟を代表するメディア人の方々がどんなことを課題に感じて、日々実践をしているのか、学ばせていただこうと思い参加。

加藤さんの「危機感が逆に他地域とのコミュニケーションを促した」。鈴木さんの「農的なものを軸に持続可能な社会を」。南さんの「ローカル同士がつながることが大切」。若林さんの「雑誌を売って終わりでなく、データベース化して再活用、再編集を」。という発言に共感しながら、自分でももっと突き詰めてみたいなと思い、聞かせていただきました。

ただ、もっとひりひりした思いが聞けることを期待していってしまったため、やや残念でした。全体的にぼんやりとした議論でした。

会費の1,000円を払うと財布に40円しか残らなくて・・・、夕飯は、冷凍ごはんに残り物のおかずをのせて食べ、また編集室に戻って、次号の印刷データ作成作業をしていました。ダブルで痛かったです。


わたしがノートにメモしたことの一部をここに───────────────────────────────

信田さん)新潟県はブランドランキングで23位。(1位北海道、2位京都、3位沖縄、13位石川)市のブランドランキングは、108位佐渡市、122位魚沼市、184位新潟市となっている。

Q.自己紹介と会社のこれまでを簡単に

加藤さん)22歳まで福島市で暮らして、26歳で新潟市で縁あって起業。地方の若者がどんどん都会に出て行く状況を、どうにか若者を地元に残せないかと、求人情報誌を創刊。

鈴木さん)新潟日報は源流をたどると136年。毎日、紙の新聞をポストに届けるという、同じビジネスモデルでこれだけ続くのはすごい。新潟日報は、共通の気持ちのあるドメスティックな中で考える媒体。地域と一緒に考えて、地域とは運命共同体のようだと思っている。

南さん)新潟放送は、昨年60周年を迎えた。ラジオ制作、報道、ディレクター、そして、いまは「水曜見ナイト」のプロデューサーをやっている。新潟愛がテーマ。

若林さん)『komachi』は21年目になる。創刊当初はバブルの名残もあって、広告がどんどん入った。一時はお断りの口上を考えるのが大変だった。『東京walker』、『Hanako』が全盛の頃で、ふたつを足して2で割ったような雑誌を作ろうとはじまった。
途中より、紙に印刷して売って終わり、ではなく取材データを「データベース化」しはじめた。官公庁や他企業にも利用してもらうため。

Q.地域と運命共同体というのは?新社屋メディアシップについて

鈴木さん)萬代橋のたもとに、新社屋を作った。あれは日報が儲かっているわけではなく、追い込まれているから。黒崎という郊外にいないで、地域の中に入っていって、新潟日報ももっと開かれていかなければならない。つながりのプラットフォームになりたいから。

Q.補足はあるか

南さん)「水曜見ナイト」では、東京とつながることではなくて、ローカル同士がつながって何が出来るのかを大切にしている。長野、福島、富山、山形など隣県とB級グルメ店やラーメン店の方々をつなげて、交流している。ラーメン店の店主の方々と福島、宮城に炊き出しにいったこともある。
テレビは人の情感が一番伝わりやすいメディアだと思っている。表情、仕草、声のトーンなど。

Q.新潟は魅力を伝え切れていない、ブランド化できていないと思うがどうか

加藤さん)出身地の福島は、震災以後、危機感(原発や放射能の問題など)から世界中、日本中の方々とコミュニケーションを取るようになった。
「新潟みなもと」という異業種交流会を主宰して、古町芸妓さんとの交流や着物を着て街を歩く会などを行ってきた。facebook上で、「新潟県人会」というグループを作って2000人ほどが登録している。そこでも自発的にいろんな交流が生まれている。
個人でもやれることをこつこつとやっている。

鈴木さん)ブランド力を高めたり、経済の拡大を目指す時代は終わった。持続可能な社会をどうやって作っていくかが大切では。

南さん)佐渡にすごくはまっている。世界遺産にするべき。佐渡金山はすごい。佐渡をテーマにした番組を撮ってきた。
「もっと知りたい、知ろうという心」が大切。歴史に埋もれた魅力を探るのは楽しい。

若林さん)観光ムックを年に何冊か発行している。雑誌の場合は、誰に届けたいか?どこからお客さんを呼びたいか?海外か、県外か?ターゲットを絞ることからはじまる。
トクだねコマチメール会員は13万人。佐渡に行ったことがあるか?アンケートをとった。県内の人は50%がある。この5年以内はどうか?25%がある。だった。県内の人だけでも、まだまだ佐渡の魅力を伝え切れていない。

Q.昨今、GDPよりはGNHということもいわれている。年間、県外から1600万人が新潟を訪ねる(重複あり)。うち200万人が宿泊する。新潟には戦略性がないのか。再びみなさんの意見を。

加藤さん)地方にいくと居酒屋に入って、隣のおじちゃんとしゃべるのが好き。魅力的な「人」は多い。
湯沢は東京から1時間。冬はスキー、夏はゴルフ。地政学的には有利。

鈴木さん)農的なものを軸に据えるべき。常に自然と対話しながら、循環していくまちづくりをすべき。
新潟は電力消費の92%を再生可能エネルギーでまかなえる。(水力発電が多いため)

南さん)小樽は観光や食(寿司など)で成功している。新潟の寿司組合の方々と一緒に番組で小樽のお寿司屋さんと対決した。惜敗したものの、味は遜色ない。

若林さん)新潟は白身魚がうまい。出版の仕事をしていても最近まで知らなかった。
新潟は広い。地域間が連携して、佐渡〜新潟〜村上など、周遊性を作るべき。
新潟は期待値よりも満足度が低い。2015年問題では、石川に負けないよう頑張ろう。

信田さん)情報発信の量を増やすべき。何でもあるというのは、何も伝わらない。コアとなるようなものを見つけるべき(ex.農とか)。自社社員の教育も必要。

10Fの講堂が会場でした。