その帰り道、野積にある妻戸神社を参拝。彌彦神社の妃神をお祀りする神社です。
神社入口 |
階段を登ってすすむと、御神田があります。本誌にも写真を掲載しましたが、地元の方々でつくられた「妻戸妃神会」さんでお田植え祭を行っている田んぼです。
御神田 |
その後、スカイラインを抜け弥彦方面に出て帰路につこうと思いましたが、発刊後からなんとなく気になっていたことがありました。取材時に散々、通った彌彦神社〈おやひこさま〉に御礼参りにいきたいなということです。金子権宮司に御礼と献本に伺った際、本殿のほうにはもちろん参拝しましたが、山頂にある御神廟にもいきたいなと思っていたので。
納品回りもすこし落ち着いてきたこのタイミングと思い、エイヤ!と。
参詣道 |
いってきました。
平日だったことと、先週は土砂降りの日も多く、足場はぬかるみ、登山客はすくなかったです。取材するまでは知りませんでしたが、一の鳥居をくぐって、50メートルほどすすんだところ左手の鳥居は、弥彦山山頂の御神廟に向かって建てられたものなんですね。神職の方がここを通るたびに一礼をしているのを見て気になっていました。
今回はこの鳥居で一礼し、御神廟参詣へ。
一人一石運動 |
登山道がはじまるとすぐに「一人一石運動」というはり紙があります。これは弥彦山登山道の整備、清掃を行うボランティアの方々からのお願いです。これも取材するまで知りませんでした。
「知らない」というのは怖いもので、それまで何度か通ったことがあってもわたしには「見えない」ものでした。よく見る、までもなく、そこにはビニール袋に砂利をつめたものが積まれていて、それを6合目まで運ぶのを手伝ってくれませんか? とのお願いがこのはり紙です。
いったん「知る」ともう気になって、見過ごすということができなくなりますね。一人一石とありましたが、取材でお世話になった方々の顔が浮かんできて、奮起。二袋もって登りました。
人の手で整備された登山道 |
「知る」というのは景色に奥行きをあたえてくれます。よく手入れ、整備された登山道なんだなと思う箇所がいくつも見えてきました。
ホタルブクロ |
(ちょうど足が痛くなってきた)6合目付近には山野草の名前を記したプレートがいくつかありました。こういったものがなければ、わたしのようなタイプは、「あ〜、足痛くなってきた。やっぱやめときゃよかったかな。ひとり登山って、友達いねーなー、俺。つーか、腹空いた」と邪念ばかりを唱え、下を向いて歩き、野の花々の種類など気にしなかったことでしょう。
めったに行かない登山にいって、「やっぱ自然の中は気持ちいいよな〜!」と思っても、よく見るとじつは山を愛する人びとの手が入って守られているものなんですね。
山頂は雲のなか |
途中ですれ違ったおじいちゃんはホームセンターで買ったような黒い長靴で、手にはなにかを入れたビニール袋、それでひょいひょいと下っていきました。まるで家のまわりを散歩するかのように。
わたしは普段、運動する習慣はまったくありませんが、登り1時間30分、下り1時間でした。二日後に軽い筋肉痛。休憩のときによくストレッチしたからか、なんとなく肩が軽くなった気がします。
さて、だんだんと邪念も鎮まってきたころ、山頂の御神廟に到着。
看板 |
看板がみえたので、すぐか!と思いきやここからもう10分ほど登ります。
社務所 |
御神廟 |
時間は昼過ぎでしたが、御神廟付近は雲の中。
『Life-mag.vol.009【寺泊・弥彦・岩室・巻 編】』の発刊の御礼をしました。底なしの虚無感、無力感に襲われる日々もありましたが、大きなトラブルなく発刊までたどり着けたことを感謝。
本誌では、弥彦山系一帯の悠久の時の流れのなかで、積み重ねられてきた歴史、文化。そこに暮らしてきた人びとの思いを取材させていただきました。いただいたご縁とご支援にあらためて感謝を深める時間になりました。
[補]取材させていただいた弥彦山岳会の小林賴雄さんから教えてもらった(山野草がきれいな)「八枚沢登山口」も気になるところです。どなたか、興味ある方がいたらぜひ一緒に!