砂丘館入口 |
図録にサインをもらいました〜 |
2016年11月26日、砂丘館(西大畑町・新潟)で行われた木下晋さんと唐亚明さんのギャラリートークを聴いてきました。午前中、子どもの予防接種に町場の病院に行ったので、その足で行けました。
今回のトークは『熊猫的故事(パンダものがたり)』と『はじめての旅』の絵本原画展にあわせて行われたものです。また、それ以前の作品や最新作の展示もありました。
木下さんは1947年、富山生まれ。最後の瞽女・小林ハルさんや元ハンセン病患者の桜井哲夫さんの絵で知られる方です。特にハンセン病患者を描いた絵に、一瞬、視線を外してしまうような感覚を覚えた方も多いのではないでしょうか。わたしはそうでした。
話のメインは『熊猫的故事』の制作エピソードでしたが、拳がジンジンと腫れ上がるほど殴り憎んだ母親を描いたこと、州之内徹さんと行った出湯温泉で小林ハルさんと出会った衝撃などのエピソードも語られました。
絵を見ていると、一体どれほど視て描かれた絵なんだろうと思いますが、精緻に描かれたその皺の一本一本は、俺が書かなければならないという〈必然性〉と〈覚悟〉を背景にしたものでした。トーク中の柔和な語り口とは裏腹に、木下さんの半生や絵に向かう姿勢は激烈なものを秘めていました。生の熱に触れられてよかったです。
親交のあった大島渚監督や白州正子さんからも肖像画を描いてと頼まれたこともあるそうですが、すべて断ってきたそうです。その理由は「だって彼らは〈俗〉の人でしょう」と。
砂丘館Webより |
原画展は12月18日まで。観覧無料です。近くに行く機会がありましたらぜひ。