「戦争と一人の女」新潟公演ゲネプロ1 |
「戦争と一人の女」新潟公演ゲネプロ2 |
戦争は、いまも、あなたの目の前でおこっている。
それを見ないようにしているのもあなた。
しゃぶっているのもあなた。
そう問いかけられているように感じた。
明日20日から22日にかけて行われる演劇「戦争と一人の女」のゲネプロを見てきた。坂口安吾の原作を上田晃之監督が構成・演出する。
戦争末期、男は昔女郎をしていた不感症の酒場のマダムと同棲をはじめる。女は淫奔(いんぽん)な性格で浮気をせずにはいられない。それでも惹き付け合う2人は、どうせ戦争で破滅するのだからと、戦争をおもちゃに肉欲的な生活を送る、という話である。
「一人の女」を4人の女優が演じ、様々な人格が交差し、頽廃と混沌が続く。そして、空襲の下、死にたいとの思いと、生きたいとの思いがぶつかり錯乱状態へ。その果てでも、、、「生きる」とは...。
上田さんは「登場する『戦争と一人の女』はどこにでもいる。果たして現在の日本では戦争は起こっていないと言えるのだろうか。外国での戦争、紛争、テロ、貧困をどのような距離感でとらえればいいのか。そんな問いかけになればと思う」と話した。
齋藤さんは今日も朝から関係者との調整、宣伝のためりゅーとぴあに張り付いていたそう。「危機の時代に安吾が甦るって言われてきたじゃない。違うんて。安吾は常におれたちのそばにいたんだわ。今回の公演でそのことに気づかされた」と語った。
本公演の世話人を務める小川弘幸さんは「敗戦から1年後に発表された作品だけど、安吾がいかに今を捉えているかがわかる。90分の公演のうち原作に基づいた前半と、現代に置き換えて構成された後半を楽しんでもらえたら。あとは新潟出身の女優・桐生桜来さんにも注目を」と語った。
ちょうど今は衆議院議員選挙の期間中である。公演の楽日は投開票日でもある。
選挙戦もある意味では「戦争」だろう。バカ正直に戦って散る者もいれば、〈大衆〉を欺き生き残る者もいるのかもしれない。
しかし、戦っているのは候補者同士だけでない。どうせ社会は変わらないと背後から手を伸ばすニヒリズムと、わたしたち有権者は戦っているのではないだろうか。
社会はリセットボタンでは変えられない。限られた資源を有効に組み合わせ、漸進的に、1mmでもよりよい方向へと手を打つ、足を踏み出す、その一歩でしか変えられないと思う。
そういう意味では戦争末期のこの週末、本公演はあなたに鋭い問いを投げかけることになるだろう。
ぜひお出かけください。
公演チラシ |
「戦争と一人の女」
日 時:2017年10月20日(金)~22日(日)
会 場:新潟市民芸術文化会館 りゅーとぴあ スタジオB
①20日(金)14:00~(開場:13:30)
②20日(金)19:00~(開場:18:30)満席!
③21日(土)11:00~(開場:10:30)
④21日(土)17:00~(開場:16:30)
⑤22日(日)14:00~(開場:13:30)
詳 細:http://ango.cinewind.com/
注・10/20の19:00からは満席! |