2012年11月17日土曜日

「愛らんど畑野だより」佐藤美恵子さん取材にて 2

前項のブログ記事に引き続き愛らんど畑野さんの会報より。

(「愛らんど畑野だより」第9号 平成15年7月25日発行)から転載させていただきます。

佐藤さんインタビュー時にLIFE-mag.撮影

「仲 間 達」 代表 佐藤 美恵子


 “愛らんど畑野”も開所して3年を迎えています。

 最初の目標は、作業より、ひきこもりになっている人達も含めて全員が楽しく毎日通所できる手助けをする事でした。
 朝「おはよう」と声をかけても他人事のように知らん顔をしている人、また、中々自分から声を出せず、話をしても入所の仲間ではなく指導員や大人の人達、そして言われたことしか出来なかった彼等、そういった人達が2年を過ぎた今は、大きく変わりました。
 ひきこもりになっていた人は、安定して自分から通ってきています。いつも下を向いてばかりしていた人は、相手の目を見て話をしています。
 また、指導員に言われなくても、自分から進んで何事にも意欲をもって行動しています。等々・・・変わった点が沢山あります。
 そして、私が何よりも嬉しく思っていることは、入所者達がお互いに冗談を言い合い、肩を叩き合う底抜けに明るく笑う大きな声の中に、助け合い温かく振る舞う本当の仲間意識が出来てきたことです。
 初めての作業所、また一人一人が異なる障害をもつ入所者達、全てが新しい経験の中、このように軌道に乗りつつあることは、渡辺所長さん、金子指導員さんの優しい気持ちと、入所者に惜しみなく注がれる愛情のお陰だと心より感謝しております。
 3年目に入り、田宮指導員さんも加わり、指導員が3人になって、より一層「一人一人の能力や希望に合わせて、安全で充実した作業所」作りに向けて歩き出しています。
 まず、親である私自身がしっかり勉強し、そして周囲の人達から知恵袋の紐をほどいて頂き、工夫もして、様々なことにチャレンジしていきたいと思います。
 終わりに、「愛らんど畑野」の皆さんの「純粋で明るく元気な笑顔」は私にとって、何物にも代え難い栄養剤です。いつまでも元気で入所者達の成長を願い、見守り続けたいと思っております。(転載を終わります)


愛らんど畑野さんの玄関ホールに飾られている写真。2012年4月の歓迎会にて。

繰り返しになりますが、佐渡はもちろん、各地域にはしっかりと芯を持ち、地道に活動されている方がたくさんいらっしゃいます。取材を通して、その方の生き方と向き合うことは私にとってもとてもやり甲斐のあることです。大きな宣伝をうつわけでもなく、テレビや新聞にたくさん出るわけでもなく、人をたくさん集めて講演会を開くわけでもなく。それぞれに与えられた宿命をまっとうするかのごとく生きているのがとても印象的です。取材を重ねる度、私はその姿に日々感動しています。

さて、ゆっくりとではありますが、Vol.006【燕三条編】の準備も少しずつ進んでいます。取材させていただくこちらも、ゆっくりと呼吸を整え、自分の目と耳と手と足を使い、その感性を信じ取材にあたらせていただきたく思います。